顎変形症とは

顎変形症(がくへんけいしょう)とは
上あごや下あごの大きさや形、位置がズレて顔がゆがんで見えたり、かみ合わせがズレている状態。 「矯正治療+手術」によって骨格的不調和を変えて歯並びを治します。

顎のズレによって、発音障害や咀嚼障害、審美的な問題を抱えることになる。
受け口の場合下あごが出ていることで口が閉じられないことで発音が悪くなり、
下あごが出ていることで審美的な問題も大きくなる。
顎が左右にズレている場合はかみ合わせがズレや顔の左右対称性も悪くなり審美性にも問題が出てくる。

顎変形症の治療は成長期が終了してからの治療となります。
顎がズレていることによる心理的ストレスを感じる方も多いです。

外科矯正(手術+矯正)をすることであごの位置と咬み合わせを治していきます。
高度な治療のために外科手術をする大学病院との連携が大切です。
歯列矯正についての説明は当院で行いますが、外科手術に関する説明は名古屋市内の大学病院で行います。
上の顎はLeFort Ⅰ(ルフォー)上顎骨切術、下の顎はSSRO 矢状分割骨切除術で行うことが多い。必要に応じてオトガイ形成術も行われます。

自由診療における矯正治療は保険適用外となりますが、顎の外科手術+歯列矯正を要する顎変形症の手術前、手術後の矯正歯科治療は保険適応となります。


*当医院は厚生労働省指定「顎口腔機能診断施設(外科矯正の保険取り扱い)」


出っ歯(上顎前突)

受け口(下顎前突)



自分でできる顎変形症チェック

顎変形症には、いろいろなタイプがあります。まずは、ご自身のタイプを確認するために、以下の症状で当てはまるものがあるかチェックしてみましょう。

  • 出っ歯

    上あごが前方に突出している(上顎前突症)

    下あごが後方に下がっている(下顎後退症)

  • 受け口

    上あごが後方に下がっている(上顎後退症)

    下あごが前方に突出している(下顎前突症)

  • 口ゴボ

    上下のあごが前方に突出している(上下顎前突症)

  • 正中の不一致

    下あごが左右でずれている(顔面非対称)

  • オープンバイト

    前歯がかみ合わない(開咬症)

  • 深いかみ合わせ

    口を閉じた時に上の前歯で下の前歯が見えなくなる(過蓋咬合症)

これはあくまで簡易的なセルフチェックです。正確な診断は歯科医師でなければ行えませんので、気になる症状がある方は当院までご相談ください。


治療期間と費用について


治療の流れ



矯正治療の検査、診断

大学病院の口腔外科にて治療説明

術前矯正(約1年)

大学病院で外科手術+入院
(3週間前後)


術後矯正(約1年)

保定期間(約2年)



費用について


一般的の行われる矯正治療は保険適用外の自費治療です。
施設基準に適合している医院においては顎変形症の矯正治療は、治療工程のすべてに保険適用されます。


初診相談料3,300円
顎変形症矯正治療費約240,000円(窓口負担額)
外科手術・入院費約270,000円(窓口負担額) *高額療養費制度の対象


  • 矯正治療費は通常費用80万円前後の3割負担になります。
  • 治療の難易度に応じて費用は変わります。
  • おおよその目安として矯正+手術で負担金は30〜40万円前後です。

高額療養費制度


「高額療養費制度」とは、医療機関の窓口で支払った額が暦月(月の初めから終わりまで)で一定額を超えた場合に、その超えた金額を支給する制度です。

例えば手術・入院費で27万円かかった場合に申請が通ると、後日19万円が支給され、自己負担額は8万円になります。

  • 所得によって自己負担は変わります。
  • 上下の顎を手術する場合は金額が高くなります。
  • 顎変形症による矯正治療は、厚生労働大臣が定める施設基準に適合している歯科矯正診断・顎口腔機能診断施設でのみ受けることができます。

高額療養費制度について詳しく見る

高額療養費の支給申請先・相談窓口


国民健康保険の場合

高額療養費制度は国の制度ですが、国民健康保険の場合は、市区町村の国保担当窓口です。

健康保険の場合

健康保険の場合は、政府管掌健康保険であれば、被保険者の住所地の協会けんぽ(旧社会保険事務所)、組合管掌健康保険であれば、所属の健康保険組合です。

共済組合の場合

所属の共済組合です。

期限・期日

申請期間は医療サービスを受けた翌月1日から2年以内となります。(2年間で時効消滅します)

高額療養費の支給時期・方法

高額療養費の支給方法は原則として口座振込です。 これは、医療機関から届く診療報酬明細書をもとに支給額の決定が行われます。この診療報酬明細書は審査もある関係で実際の振込までには3~4ヶ月以上はかかります。


外科矯正治療例ー下顎が出ている


術前、術後

術前、術後


1)主訴:顎が出ている
2)診断:顎変形症
3)年齢:20才
4)装置:マルチブラケット矯正装置
5)抜歯部位:非抜歯
6)治療期間;約2年
7)治療費:約30万円
8)矯正治療中は歯磨きしにくいので、虫歯や歯周病のリスクがあります。
歯を動かすことにより歯根が吸収して短くなったり、歯肉の退縮が起こる場合があります。


*矯正治療は個々により治り方が変わってきますので皆がこのように治るとは限りません。これは一例です。治療結果には個人で差があります。


診療連携病院

星ヶ丘矯正歯科は、より良い医療サービスを提供するために地域の医療機関との連携を積極的に進めています。お越し下さるかたに安心と信頼される医院を目指しています。

矯正歯科治療は、チーム医療が重要となります。親知らずやあごの手術(顎変形症)、その他の治療をしてくださる主な医療機関です。お住まいの地区にあわせて病院をご紹介してます。


医療機関名と地域

  • 愛知学院大学歯学部付属病院
  • 藤田医科大学病院
  • 中部ろうさい病院
  • 名古屋大学付属病院
  • 名古屋第二赤十字病院
  • 愛知医科大学病院