あなたは裏側矯正できない人です。歯医者にそう言われたら読む記事

裏側矯正は、数ある矯正装置の中でも「目立たない」という点において最も優れているといっても過言ではありません。芸能人やタレントの方が裏側矯正で歯並びを治すことが多いのも頷けます。

とくに上の装置は外からまったく見えないので、周囲に気付かれずに歯並びをきれいにすることができるのですが、いわゆる“表側矯正”とは異なる点があり、「あなたは裏側矯正できない人です」と歯医者に言われた方もいらっしゃることでしょう。今回はそんな裏側矯正できない人の特徴や解決方法について解説します。

裏側矯正とは

裏側矯正とは、ブラケットと矯正用ワイヤーを歯列の裏側に設置して歯並びを整える治療法です。デコボコとした複雑な装置を歯列の裏側に設置できることは、審美面において非常に有利に働きます。矯正装置を見られないという安心感から、心理的なストレスも軽くなることでしょう。

その他、裏側矯正には「矯正装置による外傷が少ない」「歯の動きを確認しやすい」「吹奏楽器が吹ける」といったメリットもあります。

裏側矯正できない人の特徴

裏側矯正は、表側矯正とは見た目がまったく異なるため、適応できる症例にも大きな違いがあるように思われがちですが、実際はそうではありません。基本的に、表側矯正ができる症例であれば裏側矯正も可能です。それならなぜ「あなたは裏側できない人です」と診断されるのかがよくわかりませんよね。

表側矯正もできないほど歯並びの乱れが大きい

歯並びの乱れが極めて大きい場合は、裏側矯正できないことがあります。とりわけ骨格な異常に由来する歯並び・噛み合わせの問題は、外科矯正を行わなければ改善できないことがあるのです。そういったケースでは裏側矯正できないと診断されます。

噛み合わせが深い

嚙み合わせが深いと、前歯の部分に装着した装置が上下でぶつかり合ってしまうことがあります。これは裏側矯正ならではの問題点といえますが、下の歯から治療を始めるなど工夫を凝らすことで対処することは可能です。

舌のサイズが極端に大きい

舌のサイズが標準よりも極端に大きい場合は、歯列の内側に装置を装着することが難しくなることもあります。仮に装着できたとしても、舌を誤って噛んでしまうため、裏側矯正できないと診断される場合もあります。

相談した歯科医師の経験が不足している

これは患者さんご自身の問題ではないのですが、相談した歯科医師の裏側矯正に関する経験・実績・知識・技術が乏しいと、裏側矯正できないと診断せざるを得ないことがあります。

その際、「私の技術ではこのケースに裏側矯正は適応できません」といってくれたらわかりやすいですよね。けれども、矯正の専門家として診療にあたっている先生としては、それを患者さんにはっきりと伝えることが難しい場合も多々あります。そうした少しの誤解から、「私は裏側矯正できない歯並びなんだ」と決めつけてしまうことも珍しくないのです。

裏側矯正には高度な技術と知識が不可欠

上述したように、表側矯正ができて裏側矯正だけできないという症例は、比較的珍しいです。つまり、そのような診断を下された場合は、患者さんの歯並びではなく、治療を施す側の技術・知識に制限がかかっていると考えた方が自然かもしれません。

裏側矯正は表側矯正よりも難しい

歯科医師の観点からは、表側矯正よりも裏側矯正の難易度の方が明らかに高いといえます。それは歯の表側と裏側では、形態に大きな違いがあるからです。歯の表側は基本的に平面であり、ブラケットも設置しやすいのですが、裏側はシャベルのような形をしていたりするなど、かなり複雑です。

また、ブラケットを設置できる面積も裏側の方が狭いことから、自ずと手技の難易度は高くなります。また、歯の表側と裏側では矯正力のかかりかたや歯が動く方向にも違いが見られるため、矯正医にはそれ相応の知識や経験、技術が求められるのです。

矯正歯科こそセカンドオピニオンを活用しよう

ここまで「あなたは裏側矯正できない人です」と言われる理由について解説してきましたが、その原因は必ずしも患者さんにあるというわけではないので、裏側矯正が難しいと診断された方はセカンドオピニオンを活用することをおすすめします。おそらく、大きな病気を患ったことがない方はセカンドオピニオンを利用したことがなく、とても敷居の高いものと思われていることでしょう。

実際は、歯列矯正を始めとした歯科治療こそ、セカンドオピニオンを積極的に利用した方が良いといえます。なぜなら、歯科治療は歯科医師の技術や歯科医院の設備によって、得られる結果が大きく変わるからです。とくに裏側矯正のような極めて専門性の高い分野は、治療を提供する側の都合で適応の可否が決まってしまうことも珍しくありません。それだけに、ひとつの医院の意見だけで治療を諦めるのは賢明ではありません。他の医院にセカンドオピニオンを求めることで、すんなり治療が可能となることも珍しくないからです。

セカンドオピニオンを求めることは当然の権利

セカンドオピニオンを求めることは、すべての患者さんが持っている当然の権利です。無料で相談に乗ってくれて、検査・診断まで精密に行ってくれた歯医者さんに申し訳ない、という感情が湧くことはよく理解できますが、最も重要なのは患者さんがより良い医療を受けることです。そのためにセカンドオピニオンを活用することは合理的な選択であり、そのことを悪く思う歯科医師はいません。

まとめ

裏側矯正できない人と言われた場合の対処法について解説しました。裏側矯正を適応できない症例というのは確かに存在していて、セカンドオピニオンを求めたとしても同じ結果になる場合もありますが、「裏側矯正が得意な歯医者さん」なら対応できることが多いといえます。

ですから他院で裏側できないと言われた方は、一度当院までご相談ください。名古屋の星ヶ丘矯正歯科は、これまで裏側矯正のみで250症例以上の治療を行っており、デジタル技術を活用した先進の矯正法にも対応している歯医者さんです。

著者プロフィール
矯正歯科医師:亀山威一郎

星ヶ丘DC矯正歯科:医院長・愛知学院大学歯学部非常勤講師 ・日本矯正歯科学会 認定医 ・ヨーロッパ舌側矯正歯科学会 専門医 ・世界舌側矯正歯科学会 認定医 小学生のとき矯正治療をするも、保定装置を使わなかったため後戻りし中学生で再治療を経験。そんな子供時代を過ごしながら歯科医師を志す。過去を振り返ったときにあのときに矯正してよかったと思える治療を目ざしています。

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