表側矯正と裏側矯正どっちを選ぶ?費用や期間、仕上がりを徹底比較!

ワイヤーとブラケット(ワイヤーを通すための矯正装置)を用いる矯正法は、「表側矯正」と「裏側矯正」の2つに大きく分けることができます。それぞれ異なるメリットとデメリットがあり、治療手順に違いもありますが得られる結果はほぼ同じです。

それだけに表側矯正と裏側矯正のどっちを選んだら良いか迷ってしまう方も多いようです。今回はそんな2つのワイヤーの費用や期間、仕上がりを比較しながら、違いについてわかりやすく解説します。

表側矯正と裏側矯正の基本

表側矯正の基本情報

表側矯正は、文字通り歯列の“表側”に装置を装着する矯正法です。もっともスタンダードな歯列矯正で、皆さんもよくご存知のことかと思います。装置が目立ちやすいため、見た目に少し難がありますが、対応している歯科医院は探しやすいです。

裏側矯正の基本情報

裏側矯正は、歯列の“裏側”に装置を装着する矯正法です。非常に高度な知識・技術が要求される治療なので、対応している歯科医院は一部に限られます。また、治療の仕上がりも担当する歯科医師の技能によって大きく変わることでしょう。装置が目立ちにくいことから、矯正中も口元の審美性を低下させたくないという方に人気があります。

徹底比較!表側矯正VS裏側矯正

表側矯正と裏側矯正には、次のような違いが見られます。

見た目

×表側矯正
○裏側矯正

見た目に関しては、裏側矯正の方が断然優れています。歯列の裏側にブラケットとワイヤーを設置すると、何も着けていないように見えるからです。とくに上下とも裏側に装置を設置する「フルリンガル」の審美性は極めて高いです。上だけ裏側にして、下は表側にする「ハーフリンガル」でも、口元の審美性は十分保てます。それに対して表側にブラケットとワイヤーを装着する表側矯正は、どうしても装置が目立ってしまうことから、見た目があまり良くありません。

治療中の日常生活

△表側矯正
△裏側矯正

表側矯正と裏側矯正とでは、治療中の日常生活でも違いが見られます。まず、歯列の表側に装置がある表側矯正は、食事の際に食べ物が詰まりやすかったり、ワイヤーなどで粘膜を傷めたりしやすいです。歯磨きも念入りに行わなければ汚れがたまり、虫歯・歯周病リスクが大きく上昇します。

一方、裏側矯正で唇や頬の粘膜が傷つくことはありません。唾液による自浄作用が働きやすく、表側矯正よりも汚れがたまりにくいことでしょう。ただし、矯正装置によって舌の動きが制限されて、滑舌が悪くなることがあります。

仕上がり

〇表側矯正
〇裏側矯正

治療の仕上がりに関しては、表側矯正と裏側矯正に大差はありません。治療技術の難易度は裏側矯正の方が高くなっていますが、正しい知識と豊富な実績を持った歯科医師が担当すれば、仕上がりに違いは現れません。経験の浅い歯科医師が担当する場合は、表側矯正の方が仕上がりも良くなる傾向にあります。

費用

〇表側矯正
×裏側矯正

表側矯正の費用相場は、1,000,000円前後ですが、裏側矯正は1,400,000円前後となっています。やはり、高度な技術と専用の器具等が必要となる裏側矯正の方が費用も高くなります。ですから、経済面を重視するのであれば表側矯正が適しており、審美面に重きを置くのであれば裏側矯正がオススメといえます。ちなみに星ヶ丘矯正歯科では、表側矯正と裏側矯正を以下の料金で承っております。

【表側矯正】

825,000円〜935,000円(税込)

【裏側矯正】

上顎裏側・下顎表側(ハーフリンガル)1,210,000円〜1,320,000円 (税込)
上・下顎裏側(フルリンガル)1,210,000円〜1,320,000円 (税込)

期間

〇表側矯正
〇裏側矯正

矯正治療にかかる期間は、あくまでケースバイケースです。患者様の歯並びや顎の骨の状態によって大きく変動する点にご注意ください。矯正法の違いによって治療期間が変わることはほとんどありません。表側矯正も裏側矯正も基本的には1~3年程度で治療が完了します。便宜抜歯を行って治療を進める場合は、治療期間も比較的長くなります。

治療期間中に裏側矯正にできる?

表側矯正を始めて、装置の目立ちやすさに戸惑ってしまう方は少なくありません。金属製のパーツが歯列全体に設置されるのですから、不便や不満を感じてしまうお気持ちもよく理解できます。

多くのケースでは、装置による違和感・異物感が時間の経過とともに減少していきますが、そうではない方も一部いらっしゃいます。そんな時、よく質問を受けるのが「装置の変更」についてです。

裏側矯正への変更は可能

表側矯正の期間中に裏側矯正に変更することは可能です。もちろん、治療を担当する歯科医師にそれ相応の技術・知識があることが前提ですが、どうしても裏側矯正に変更したいという方には対応することができます。表側に設置した装置をすべて撤去した上で、裏側に改めてワイヤーやブラケットを装着することから、治療期間はやや長くなることでしょう。

また、費用に関しても別途、必要になることが多いです。そうした点も踏まえた上で、治療期間中の裏側矯正への変更を検討することが大切です。

裏側矯正に変更するメリット・デメリット

表側矯正から裏側矯正に変更すると、審美面の問題が大きく改善されます。裏側矯正はどの矯正装置よりも審美性に優れているからです。また、装置による心理的ストレスが少なくなる、矯正装置による外傷が起こりにくい、歯の動きを確認しやすくなるといったメリットが得られます。

その一方で、慣れるまではしゃべりにくい、舌を傷つけやすいなどのデメリットが生じる点もしっかり把握しておいてください。

まとめ

今回は、表側矯正と裏側矯正をさまざまな観点から比較し、どっちが優れているのかを解説しました。それぞれに一長一短があり、どっちが優れているかは一概に語るのは難しいです。そんな表側矯正と裏側矯正にお悩みであれば、お気軽に星ヶ丘矯正歯科までご相談ください。当院は表側矯正と裏側矯正の両方に対応している歯医者さんです。

著者プロフィール
矯正歯科医師:亀山威一郎

星ヶ丘DC矯正歯科:医院長・愛知学院大学歯学部非常勤講師 ・日本矯正歯科学会 認定医 ・ヨーロッパ舌側矯正歯科学会 専門医 ・世界舌側矯正歯科学会 認定医 小学生のとき矯正治療をするも、保定装置を使わなかったため後戻りし中学生で再治療を経験。そんな子供時代を過ごしながら歯科医師を志す。過去を振り返ったときにあのときに矯正してよかったと思える治療を目ざしています。

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