インビザライン治療で治らなかった人へ。後戻りも増えています

透明な樹脂製のマウスピースを使って歯並びをきれいに整えるインビザライン。その手軽さ、快適さに惹かれてインビザライン矯正を選択する人が急増していますが、すべての人が満足のいく治療結果を得られているわけではありません。

そこで今回は、インビザライン矯正で歯並びの乱れが治らなかったケースや治療選びに失敗にして後悔しているケースを詳しく解説します。

インビザライン治療は失敗する人が多い?

インビザライン治療は、従来のワイヤー矯正などと比較すると失敗や後悔する人が多いといえるかもしれません。実際、当院にも他の歯医者さんでインビザライン治療を受けて失敗し、矯正をやり直したいと希望される方が少なくないのです。

せっかく高いお金と長い期間をかけて治療したのに、歯並びが治らなかったら残念で仕方ないですよね。これはインビザラインを始めとしたマウスピース型矯正装置特有の問題ともいえます。

歯科医師にとっても敷居が低い矯正法?

標準的なワイヤー矯正は極めて専門性が高く、豊富な知識や経験がなければ適切な治療を行なうことはできません。ブラケットを設置する位置やワイヤーの曲げ方などは、一朝一夕に習得できるものではないのです。そのため、安易にワイヤー矯正を導入する歯科医院はほとんど存在しないのが現状です。

一方、インビザラインのようなマウスピース矯正は、検査・診断から治療計画の立案、矯正装置の製作に至るまで、そのほとんどがシステム化されており、矯正の実績が乏しい歯科医院でも導入するのは比較的簡単です。矯正の分野はインビザラインだけ対応している歯科医院が増えているのもそのためです。

ただし、導入するのは容易であっても、矯正治療を成功に導くためにはワイヤー矯正と同等、あるいはそれ以上の知識や経験が必要となることも珍しくないのです。これが昨今、インビザラインで治らなかった人が増えている主な原因といえます。

インビザラインが失敗する6つのケース

インビザラインが失敗するケースとしては、次の6つが挙げられます。

1.歯科医師の技術・知識が不足していた

インビザラインは治療プロセスの大半がシステム化されており、基本的にはその流れに沿って矯正を進めていきますが、各段階で細かい調整が必要となります。治療計画も専用ソフトが導き出したものをそのまま使用するのではなく、患者様それぞれのお口の状態に合わせて変更していくことが必要です。

マウスピースの浮き上がりを防止したり、歯の移動を促進したりするインビザライン・アタッチメントの装着位置などは、歯科医師の技術や知識が試される場面といえるでしょう。インビザラインを含めた矯正治療の経験が浅い歯科医師では、そうしたことが適切に行えず、治療が失敗に終わることもあります。

2.インビザラインで治せる歯並びではなかった

これも歯科医師の技量と関係しているのですが、そもそもインビザラインでは治せない歯並びに無理やりこの矯正法を適用すると、当然ですが失敗に終わります。

もちろん、インビザラインが不向きであることを伝えた上で、患者様がそれでもなおマウスピース矯正を希望されるケースもあるものの、その際きちんと他の矯正法を提案できて初めて“矯正医”と呼べるのではないでしょうか。

3.マウスピースの装着時間を守れなかった

インビザラインのマウスピースであるアライナーは、1日20~22時間くらい装着しなければ適切な治療効果が得られません。決められた装着時間を下回る日が続くと歯の移動が進まず、治療のスケジュールがずれていきます。極端なケースでは、治療計画を立て直す必要が出てくることもありますので、マウスピースの装着時間はしっかり守ることが前提となっています。

4.マウスピースの交換時期がずれてしまった

インビザラインのアライナーは、1日の装着時間だけでなく、次のステージへの交換時期も厳密に決められています。マウスピースの交換時期が1~2日程度ずれるのはそれほど大きな問題にはなりませんが、それが毎回のステージで積み重なると治療計画自体が破綻してしまいます。その結果、インビザライン矯正そのものも失敗に終わります。

5.虫歯や歯周病になってしまった

マウスピースやお口の中のケアが不十分だと、インビザラインでも虫歯や歯周病になってしまいます。とくにインビザラインでは、マウスピースのお手入れが不十分になりやすい点に注意が必要です。

虫歯や歯周病が軽度であれば大きな問題にはならないのですが、これらの病気を重症化させると、矯正を中断せざるを得なくなるだけでなく、歯や顎の骨の形まで変わるため、当初の治療計画が使えなくなります。その結果、インビザラインが失敗に終わり、後悔だけが残ってしまうのです。

6.リテーナー(保定装置)を付けなかった

治療計画通りにマウスピースを装着して、予定通りの歯並びに仕上がったとしても、歯の位置を固定するリテーナー(保定装置)を装着しなければ、後戻りが生じます。1~3年かけてきれいにした歯並びが元に戻り、治療が失敗に終わります。

インビザライン治療で治らなかった人へ

他院でインビザライン治療を受けたが満足のいく結果が得られなかった、もしくは歯並びが治らず後悔した人は一度、歯並びや咬み合わせの矯正に特化した歯医者さんである星ヶ丘矯正歯科までご相談ください。まずはインビザライン治療が失敗した原因を調べましょう。

当院は、表側矯正・裏側矯正・マウスピース矯正(インビザライン)・顎変形症・アンカースクリュー矯正・小児矯正など、あらゆる歯並び・咬み合わせの治療に対応しており、他院のインビザライン治療で治らなかったケースのリカバリーも可能です。日本矯正歯科学会所属の院長が丁寧にカウンセリングし、精密に検査した上で最善といえる治療法をご提案します。

まとめ

今回は、インビザライン治療で治らなかった人に向けて、その原因や解決方法をご説明しました。インビザラインで失敗・後悔する原因はいくつかあり、ご自身にどれが当てはまるのかはなかなかわかりにくいことかと思いますので、まずはインビザラインを始めとした矯正の専門医院である星ヶ丘矯正歯科までご相談ください。遠方から通われている方もたくさんいらっしゃいます。

著者プロフィール
矯正歯科医師:亀山威一郎

星ヶ丘DC矯正歯科:医院長・愛知学院大学歯学部非常勤講師 ・日本矯正歯科学会 認定医 ・ヨーロッパ舌側矯正歯科学会 専門医 ・世界舌側矯正歯科学会 認定医 小学生のとき矯正治療をするも、保定装置を使わなかったため後戻りし中学生で再治療を経験。そんな子供時代を過ごしながら歯科医師を志す。過去を振り返ったときにあのときに矯正してよかったと思える治療を目ざしています。

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